おおたかの森西口の開発について その②

住民の意見に対する回答が返ってきました

流山おおたかの森駅西一丁目開発について、流山市街づくり条例に基づいて以下のプロセスで進んでおり(以下)開発者からの回答を読んでおりますが、大変つれない内容で悲しく感じております。

 

以下、開発者からの回答です。

流山市はこれまで、街並みのありたい姿を掲げ、開発一つ一つ丁寧に、ご理解を頂いてきました。

しかし今回の開発に対する回答は
「綱領性、非拘束性だから問題ない。」
要は「義務ではありません」という内容です。

たしかに義務ではありません。
正確に言えば、日本の憲法では、私有財産制度を保障しており、個人の財産は守られていますので義務には出来ません。
これは、都市計画的な観点で街のありたい姿を実現するには非常に難しい仕組みになっています。

流山市は、都市計画政策に最大限力を入れてきた

でもだからこそ流山市は景観条例「こちら」や景観計画「こちら」、都市計画マスタープラン「こちら」、まちなみづくり整備指針「こちら」など作って丁寧にご理解を得てきました。
良質な街並みというのは、周囲のみんなの協力(調和)があってなし得るから
です。
加えれば、グリーンチェーン戦略「こちら」、みどりの基本計画「こちら」、地区計画や高さ制限などの都市計画制限、広告物条例「こちら」など、沢山の工夫をしてきたのです。

しかし開発側が簡単に「義務ではないし(関係ないでしょ)」と主張されるなら「街並みをみんなで守っていこう、作っていこう」と、指針を作って機運を作ってきた前提がそのものが崩れて行きますし、これまで皆さんにご理解を得てきたプロセスをどう考えれば良いのか混乱しています。

私は引き続き、街づくり条例に則ってよりよい協議をし、一緒によい街づくりをしていけるようサポートしていきたいと思います。

近隣住民からの要望書

現在、近隣住民から3種類の要望書が上がっていますが、有志で提出された要望書を共有します。
流山市の街づくり指針や景観計画を、しっかり読み込んでの願いが書かれています。この内容にご賛同いただける方、協議に合流されたい近隣住民の方、お声をお寄せいただけますと幸いです「こちら」。

 流山市長 井崎 義治 殿

(仮称)流山市おおたかの森西1丁目計画 新築工事に関する要望書

流山市におかれましては、日頃から、緑に溢れた一体感のあるまちづくりにご尽力いただき感謝申し上げます。特に、流山おおたかの森駅周辺に関しましては、緑溢れる中にも商業施設の賑わい、緑と一体となった住宅地への動線が形成され魅力的なまちが実現しています。そのまちづくりの理念は住人にも支持され、浸透していると私たち住民も実感しております。
駅西口においては、流山おおたかの森駅前センター地区 まちなみづくり指針において「市野谷の森へのゲート空間として、緑を感じ人々が憩い佇める駅前空間」や「市野谷の森につながるような、森のプロムナード」として位置づけられ、開発の歩みを私たちも楽しみにして来ました。

しかしこの度、流山おおたかの森B37街区に長谷工コーポレーションを代理人として、東成興業株式会社による計画(15階建てマンション建設)が明らかとなりました。
当該計画地(B37街区)は、駅西口ロータリーに面し、樹木や芝生などの緑に溢れた南口駅前広場からも高架を潜って臨むことが出来る場所ですが、計画されている15階建て賃貸マンションが建設されれば、圧迫感や威圧感が出て「緑と調和した街」としての一体感は損なわれるように思います。駅周辺地区として、人々が集う衣食遊住の生活空間のある街並みであると同時に、ゆとりがあり緑が溢れる空間の街並み形成という観点において、現在の計画は、流山市が目指している街並み形成に合致しないのではないでしょうか。

流山市は流山市街づくり条例を制定しています。その趣旨は街がその地区だけで成り立つものではなく、周辺地区が一体となって調整、協力して景観創出をすることで、良質で魅力的な街づくりが実現できることを掲げている素晴らしいものです。私達周辺住民の地区の開発においては、流山市の多大なるご協力のもと、おおたかの森駅周辺の景観創出に協力してきたように思います。

ぜひとも、これまでの方針に沿った街づくりにご配慮いただきたいため、以下の通り要望します。

  • (1)流山市街づくり条例第31条第2項で定義されている「近隣住民等説明会」の確実な実施を行うこと。本開発を進めるに際し、8月29日に住民説明会が予定されていましたが、理由なく中止となり、1週間という短期間で意見を文書で提出するよう依頼されました。近隣住民に開かれた形での開催を希望します。
  • (2)流山おおたかの森駅前センター地区 まちなみづくり指針の方針に沿った開発をお願いしたい。行政・事業者・市民が協働し、さらに良質で魅力のある街となるよう、市民の生活の質の向上に資する施設の入居も含めて改めてご検討賜りたい。
    1.  回遊/空中庭園等の緑化に配慮する十分に景観に配慮頂きたい。
    2.  駅前一等地という観点から、指針に掲げられている「にぎわい回遊動線」を地域一体として高めるような商業施設の併設も併せて検討して頂きたい。
    3. その他、市場性が高い地区なので難しいとは思うものの、昨年度計画されていた3階建ての商業施設にされることや、回遊/空中庭園等の緑化に配慮した図書館や、オープンスペースを設けることで憩いの場としての利用の模索についてもチャレンジ頂きたい。

流山おおたかの森駅周辺が、つくばエクスプレスと市野谷の森が調和する良好な景観となり、また、緑に溢れた、「都心から一番近い森の街」のキャッチコピーに相応しい一体的な空間となること、さらには、市民の体感的な快適性が高まり、市外の方々にとっても魅力的だと感じてもらえるような街となるよう、今回の計画に関しまして、何卒ご配慮・ご検討いただきたく存じます。

2021年9月吉日 近隣住民有志一同