令和3年9月議会の一般質問(議員が市政全般について、執行状況を確認したり、問題提起や提案する、質問の機会)のその③について共有します。
教師の方々の働き方改革のために提案してきたICTの導入ですが、導入進捗とより良い活用に向けての提言を行いました。
今回の一般質問の概要
●学校と家庭の連絡システム(メールシステム)で、アクセスが遅いなどの不具合を指摘したところ、早急に改善して頂けることになりました。
●遅刻・欠席の連絡に対するより良い運営について提案しました。
●オンライン個人面談について、一部で試行されていることを確認しました。今後もチャレンジして頂くことをお願いしました。
●9月1日から実施しているオンライン授業の背景、これまでの取り組みを質問しました。
また、この知見を活かし、今後も不登校のお子さんにも提供していくことをお願いしました。
質問:教師の働き方改革に向けたICT導入の進捗について
学校と家庭をつなぐ情報共有システムの運営状況と課題について
このシステムは、学校から家庭への連絡を電話や便りや連絡帳でしていたものを①学校から家庭へのお便りをメールで送付したり②アンケート機能を使って家庭からの回答をメールで収集したり③家庭から学校に遅刻や欠席をメールで連絡できるシステムです。教師の方々は、お便りの印刷や電話連絡などの負担を軽減が出来るというメリットがあると思います。導入後の運営状況と課題について伺いました。
Q.ファイル添付機能、アンケート機能の利用実績は?
(教育委員会:答弁)学校では、保護者一斉配信メールシステムのファイル添付機能およびアンケート機能を、学校評価アンケートや保護者会の案内及び出欠の確認などに活用している。
(教育委員会:答弁)アンケート機能について、保護者一斉配信メールシステムの不具合を修正した上で今後も引き続き活用していく。また、当システム以外にアンケートを実施する場合、児童生徒用タブレット端末を活用する方法も今後研究していく。
Q.市民から、アクセスし難さの声が上がっている。システム上の原因は何か、どう改善するのか
(教育委員会:答弁)保護者一斉配信メールシステムにおいて、アクセスの集中時に添付ファイルを開くことができない不具合が見られた。改善策として、メールの本文に要旨を載せるなどの運用面の工夫を行う。また、システムの契約業者から、サーバーのメモリを増強し、9月12日から稼働すると報告を受けている。
(近藤コメント)⇒メールが送られてくるが内容を確認する時にトラフィックが発生し、掲示板にアクセスできない現象が頻発していたように思います。前のシステムの方がよかったという苦情まで頂いていました。改善されるとのこと、よかった。
Q.なぜメール連絡できる時間帯に制約があるのか?
現在の仕組みは、不登校傾向のお子さんのご家庭では、使いにくいシステムになっています。
〇不登校傾向のお子さんは、学校に行きたくてもいけない、でも、その理由を自分の言葉で表現できないことも多く、その子のペースに合わせた寄り添いが必要です。しかし6:30~7:40しかメールを受け付けられないことで、親御さんはこの時間に合わせて「行くの?行かないの?」と登校意志を確認する行動をしがちです。システムは24時間稼働できるのに大変残念です。
よって私の方から以下の運用(案)を示してみました。
保護者にはメール連絡の推奨時間をお伝えしながらも、メールは24時間受け付けられるようにします(メール連絡の推奨時間は教師が登校確認をする時間の少し前の時間でお願いしてくと良い)。そうすると、子どもが「行きたい!」と意思表示を行ったタイミングで今の子どもの状況を共有できます。不登校になるには理由があり、一定充電する時間も必要になる場合もあるため、毎日確認するのではなく、子どもが行きたいと思ったタイミングで連絡するというプロセスにする方が子どもファーストです。
教師は授業中でリアルタイムに受信できないということなので、メールシステムはメール連絡が入った後(②)、適宜事務処理ができる事務に通知をします(③)(大した事務作業がないなら教師に直接通知すればよい)。事務が緊急性を判断し、教師に適時に情報共有します(④)。緊急でない場合、教師は空いた時間にメールの内容を確認し、不明な点があれば上長に相談した上で、保護者に連絡します(⑥)(出来ればメールがよいですが慣れていない教師も多いようなので電話連絡でもよいと思います)。
先生方は直接コミュニケーションをとりたがりますが、こちらの意図がしっかり伝わっていなかったり、上長に確認が必要だったりして、何度も電話連絡が発生することが多く、冗長です。
先生方の業務プロセスを全て存じているわけではございませんので、あくまで一案ですが、この仕組みにすれば保護者とのやり取りがシンプルになり、1回の情報交換の質が上がるはずです。
※連絡の時間制約を設ける理由は、児童の登校が安全に行われたかを確認するためだそうです。
<重要>全てをメールでやり取りしなければならないと主張しているのではありません。電話連絡されたい方に対しては、この仕組みに変えても影響はないはずです。しかし共働きのご家庭などは仕事中に電話を頂いても取れない、メール連絡でなければ難しいという方は多いものです。
(教育委員会:答弁)家庭から学校に児童生徒の遅刻や欠席をメールで連絡する時間を設定している理由は、児童生徒の安全を確認するためであり、各学校では、登校時間までメールが送信できるよう設定をしている。メール送信時間の制約については、保護者の事情等を勘案し、児童生徒の安全を第一に考えた上で、メールの送信時間をある程度過ぎても家庭から学校へ連絡できるよう調整していく。
(近藤コメント)⇒メールシステム自体は24時間稼働するよう強く要望しておきました。引き続き状況を確認していきます。
質問:個人面談におけるテレビ会議活用の研究進捗は?
コロナ禍で中々学校に伺うのも気が引けるという保護者もいます。そこで、わざわざ学校に行かなくても先生と意見交換が出来るよう、テレビ会議を活用する方法を提案してきました。
(教育委員会:答弁)テレビ会議を活用した保護者との個人面談として、進路や不登校の相談などにテレビ会議を活用した学校もある。また、保護者会や授業参観などオンラインで配信をした事例もある。テレビ会議を活用した保護者との個人面談の実施に向けて、各学校では、ICT支援員を活用してテレビ会議システムの研修会を実施し、会議や研修会などでテレビ会議を積極的に活用してきた。今後も、活用事例を共有し、個人面談にテレビ会議が活用できるよう推進していく。
(近藤コメント)⇒少しずつ進んでいるようです。引き続き状況を確認し、促していきます。
質問:新型コロナウイルス感染症の感染拡大側面でのICT活用について
Q.オンライン学習の各校の試行状況と課題は何か
(教育委員会:答弁)各学校では、オンライン学習が実施できるよう、テレビ会議システムや学習支援ソフトの活用方法など、ICT支援員を活用して研修会を実施し、授業での活用も進めてきた。課題としては、円滑にオンライン授業が実施できる教職員のスキルの向上だと捉えている。
(近藤コメント)⇒一年前は「オンラインて何?」という教育委員会の先生の反応から、[teamsですか?Zoomですか?]に。この一年間で劇的に変わりました。今後もチャレンジしていってほしいと思います。
Q.学校に通いたくても通えない子どもの学習機会をどのように確保していくのか
(教育委員会:答弁)保護者の判断でコロナウイルス感染予防のために欠席する児童生徒に対し、授業のライブ配信を決めた理由は、児童生徒の学習の保障をすること、児童生徒の健康状態を把握すること、児童生徒と教職員がコミュニケーションを取ることが可能だと判断したからである。低学年の児童への支援として、学習支援ソフトを活用し、学習の進捗を確認することやテレビ会議を活用し、児童とコミュニケーションをとりながら個別面談を行うなど、児童の発達段階に応じて対応することが可能である。
(近藤コメント)⇒コロナ禍で得た知見を活かし、学校に足が向かない子ども達にも日常的に開かれるようになってほしいと要望しました。引き続き促していきます。
最後は、近藤を想いを要望として伝えたので共有します。
ICTを導入するなら、業務プロセス全体を見直してほしい
システム導入にあたっては、教師の負担軽減もさることながら、保護者の負担軽減もに配慮すると共に、教師と保護者の円滑なコミュニケーションを実現することを目指してほしいです。ICTを導入する時に一番してはいけないことは、これまでの業務フローを全く変えずに導入することです(かえって無駄な仕事が発生しがち)。ICTを導入する時は、全体を見渡し、システムを利用することで全体がよりよくなるように、先生方の業務フローを変えていく意識が必要になります。
前向きなチャレンジをやめないで
一年前の緊急事態宣言下では、流山市もオンライン学習という選択肢はございませんでした。他の自治体ではネット接続がうまくいっていない等の問題も頻発している中、流山市は着実に出来ることが増えていると私は評価しております。先生方の試行錯誤が積みあがってきたと感謝すると共に、今後も、ぜひチャレンジしていってほしいと要望しました。
前向きなチャレンジをされたのであれば、仮に失敗しても、私も市民の方々に、胸を張ってご理解を求めていきます。先生方のチャレンジを通じて、よりよい教育が展開されることを願います。
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