平成27年10月視察 岐阜県可児市の議会改革

平成27年10月15日に、岐阜県可児市に新しい公聴会の形の参考にしたく、地域課題研究会の取組について教えて頂くため、岐阜県可児市に視察に行ってきました。写真は可児市の議場です。高詳細のプロジェクターが利用されていました。

当初は地域課題研究会の取組についての視察でしたが、議会改革に関する多岐にわたる施策のお話を頂くことが出来き、各々の施策が有機的に連鎖して多くの効果を出していると感じました。けん引役の川上前議長自ら講義頂きましたが、川上様は優秀なビジネスマンのよう。世界一のバラ園を誇る可児市、花フェスタを市議会としてさらに盛り上げていくために、議場をバラで飾るという、すごいこともやってのけてしまう「こちら」。

民間とは違う公共としての責任や公平性を求められる公共政策というフィールドにおいて、民間と同じようなスピード感で政策を実践していく様子は脱帽であり、出来る人はいるのだと非常に希望を持てた視察でした。

下記、特に感銘を受けたことを項目毎に記します。
1) 大学との連携の取組み
議員の資質の向上を図るため定期的に研修を実施。費用は参加議員の政務活動費から支出。可児市で企画する研修に他自治体の議員を招待、他自治体で企画されるときは逆に呼んでもらうという、活動費を無駄にしないという姿勢が素晴らしいと感じました。

2) 議会改革のためのアンケート調査
議会に対する市民ニーズを議員自ら調査するため、20歳以上の市民2000人を対象にアンケートを実施、議会改革の目的を明確にしている。予算は政務活動費から捻出し、質問選定から封入・郵送、集計・分析に至るまで全て議員が実施するという、プロジェクトを進める上で①目的を明確にする、②予算は工夫して捻出する、を実現しており議会改革の気概を感じました。

3) 議長職における引き継ぎ事項の明確化
安定的な議会運営のためには、議会も計画に基づいて運営されることが重要ということで、これまで積み上げてきた議会改革を4年の改選の度に断絶させることがないように、引き継ぎ事項を作成。各議員が市民の付託を受けるという選出プロセスから、個人の意見が尊重され、議会としての組織的な対応がしにくいという性質を持っていますが、デメリットをカバーする良い施策だと感じました。

4) 予算決算審査サイクル
民間は決算主義だが、行政は予算主義となりがち。行政においても、きっちりとPDCAサイクルを回すために、決算審査の指摘事項について全会一致で市長へ通知したものは、重要点検報告書を提出してもらい対応状況を確認できるようにされていました。流山市議会においても決算審査については全会一致事項を提案するようにしておりますが、どのように反映されたのかを確認するプロセスは明確に定義されていないのではと思いましたので(まだ私が新人だから知らないだけなのかもしれませんが)、参考にすべきと感じました。

5) ICTを活用した委員会運営
委員相互の意見交換、事前調整を活発化、資料の確認・配布の円滑化を目的として、無料のグループウェアのサイボウズを導入されているとのこと。流政会ではfacebook Groupを利用しておりますが、議員が操作に問題ないのであれば確かに、サイボウズの方が資料共有しやすいと感じました。

6) 議会活性化特別委員会報告書
議員定数・報酬・委員会についての在り方を検討。削減論に陥りがちな話を議員の職務の特徴から効用価値説的な方法で検討されており、非常に興味を持ったので、詳細について伺いたいと思いました。

7) 地域課題懇親会(キャリア教育支援)の実施
地方都市の共通の悩みとして、多額の教育投資を行った若い世代の都市への流出があります。可児市議会では、これを防ぐため、大人と高校生が地域課題について本気の意見交換の場を設けています。多岐にわたる下記地域課題をテーマ(後述)にして、精力的な意見交換を行っており、若い高校生が可児市の魅力を知り、地域との関わりを意識する効果的な場となっているとのこと。本来はNPOなどが主体となって実施すべき活動で議会が行う活動ではないという意見もございますが、政策提言を十分に行える権限を持っているにも関わらず、期待・関心が薄い現状を踏まえ、住民のニーズを自ら取りにいく・巻き込む姿勢は見習うべきだと感じました。この取り組みを通じて、偏差値が20台の学生が有名私立校に合格する、医療に課題を感じた高校生が医学部にチャレンジし将来は可児市に貢献したいと発言するなど、大きな成果も出始めているとのこと。

タイアップ先の岐阜県立可児高等学校の教員、浦崎 太郎先生のレポートを発見しましたので、共有します「WS000015

① テーマ:介護ケア
専門職:ケアマネや保健師

② テーマ:医療
専門職:地元医師会

③ テーマ:子育てに支援
専門職:子育て支援に関わる事業者・団体

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