令和3.12一般質問②医療的ケア児及びその家族に対する支援について

令和3年12月議会の一般質問(議員が市政全般について、執行状況を確認したり、問題提起や提案する、質問の機会)のその②について共有します。

2 医療的ケア児及びその家族に対する支援について 

一般質問の録画中継「2 医療的ケア児及びその家族に対する支援について」

質問:医療的ケア児及びその家族に対する支援について

保育園に入園を希望されているご家庭からの陳情から、質問しました。医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が令和3年6月成立し、この法律において自治体の支援は「努力義務」から「責務」に変わりましたが、市は動いていませんでしたので、現状と課題について問いました。

医療的ケアは、口や鼻、気管カニューレ内の痰の吸引など、日常的に必要な医療行為のことを言います。例えば、皆様のお子さんが、痰の吸入を1時間に1回やらなければならない状況を想像してみてください。受け入れ施設がなければ、支えるのは家族のみであり、その家族が倒れてしまえば、命の危険があります。ご家族が休息をとったり、障害があっても権利保障として保育・教育を受けられる体制づくりがこの法律改正の骨子であり、自治体の責務となりました。

Q.医療的ケアが必要な子どもたちが、成長する過程で必要な支援を受けるための行政の連携促進・情報発信をすべきでは?

連携促進については、医療ケア児を支援するため、関係機関の実態調査と内外ネットワークを、自立支援協議会と連携して構築するとのことでした。この具体的な活動進捗をお答えください。

今回ご家庭に伴走して感じたのは資料⑤の左の状況でした。とにかく自分達で看護しながら情報を集めなくてはならない状態でした。大阪府では資料⑤の右のように、コーディネーターが関係機関の情報を集め、支援先とつなぐことで改善しています。これを踏まえてご答弁下さい。

(市:答弁):医療的ケアが必要な子どもたちが必要な支援を受けるための行政の連携促進、情報発信についてお答えします。
医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律については、本年6月18日公布、9月18日に施行され、10月28日には千葉県主催による担当者会議がオンライン形式により開催されました。会議では、先進市の取組も紹介され、そこでは害者総合支援法に基づく自立支援協議会を活用した協議の場をつくり、医療的ケア児に係る諸課題について検討されているとのことであり、千葉県でも未実施の市町村については推進してほしいとの説明がありました。
御質問のうち、まず連携促進についてですが、本市における医療的ケア児については、現時点で把握できているのは20名弱です。その支援については、これまで保健センター、障害者支援課、児童発達支援センター、保育所、小中学校など個別に支援を行っており、必要時は担当者での会議を開催するなどをしていたものの、市全体、外部機関を含めた連携の機会は設けてきませんでした。今後は、先進市の事例も参考に自立支援協議会を活用し、庁内外の連携体制の構築を目指してまいります。そのために今年度中に自立支援協議会を開催し、制度の趣旨や内容について市から説明を行い、共通理解を図るとともに、連携体制の構築について協議したいと考えています。
また、先日の戸辺議員の一般質問で答弁させていただきましたとおり、実態調査については御家族の協力や医療、生活支援など関係機関の協力も得て医療的ケア児の心身の状況、医療的ケアの状況等を把握し、ニーズや課題を抽出し、その解決に向けた協議を行ってまいります。
次に、情報発信についてですが、千葉県が実施する研修を経て養成する医療的ケア児等コーディネーターが中心となり、医療的ケア児の支援に必要な社会資源の情報収集、そして把握や開発に取り組んでまいります。本市としては、医療的ケア児等コーディネーターと共に、医療的ケア児が日常生活及び社会生活を営むための支援に関する情報が御家族に行き届くよう情報発信に取り組んでまいります。
以上です。

保育所における医療的ケア支援体制について

先日のご答弁からも3歳児未満の民間含めた保育所への預かりの道が開けていないと思います。現状をお答えください。
また課題は、対応できる保育人材の育成と看護師の確保で、国の補助金を利用して実施していくとのことでした。目前にいる医療的ケア児に寄り添った対応をするために一番優先度を上げることは何ですか。

(市:答弁):●保育所における現状
初めに、保育所における現状ですが、公立保育所では3歳児クラス以上のお子様を対象に主治医が集団生活が可能と認めていること及び保育園での医療行為が必要と認めていること、医療行為を開始し、6か月が経過しており、常時観察がなくても生命の危険がないことを条件として、気管カニューレ内からの喀たん吸引や胃瘻、腸瘻からの経管栄養が必要なお子様の受入れを行っています。現在公立保育所2園に看護師を2名ずつ配置して受入れ態勢を取っており、実際に1名の医療的ケア児を受け入れています。受入れに際しては、保育課で面談を行った上で主治医の意見書を添付して申請書を提出いただき、利用調整を行います。この段階で保育所長及び看護師が主治医に面談して医療的ケアの内容等を確認し、保護者とは緊急時の対応を確認します。
優先度を上げることとしては、医療的ケアに精通した看護師の配置が可能となるような支援を行うこと、受入れ施設の不安を払拭するために医療機関など関係機関との緊密な連携体制を構築することと考えています。

学校における医療的ケア支援体制について

(市:答弁):

現在市内の医療的ケアが必要な児童生徒が在籍する学校には、医療的ケアを行うサポート看護師を配置しております。看護師は、保護者からの依頼で作成された主治医の指示書に従い、医療的行為を行っています。担当の看護師が不在になる際には、教育委員会が他校のサポート看護師を臨時的に配置しています。そのため学校では医療的ケア児の医療行為に常に対応ができるように配慮しています。また、どのサポート看護師も医療的ケア児の対応ができるように子どもの情報を共有し合うための研修会を開催したり、学期に1回行う定例のサポート看護師の連絡協議会にて全てのサポート看護師で情報共有を図っています。
今後の課題としては、医療的ケア対応に関する保護者との連絡手段や情報共有の在り方について、家族の離職の防止に資する観点からも対面によらないメールやズームを利用する等の柔軟な対応を検討してまいります。これからも医療機関や関係機関等と連携して、個々の実態に応じた適切な支援ができるように充実した医療的ケア支援体制づくりに努めてまいります。