小中学生の荷物の重量化に伴う健康影響と対策ついて ~平成29年第3回定例会 一般質問①~

年4回の議会で、議員は市政全般に対する提言をする機会「一般質問」を頂いておりますが、その1つとして「小中学生の荷物の重量化に伴う健康影響への対策」を訴えました。(この問題に関する時系列記事一覧はこちら

この案件は、所属会派の森りょうじ議員と共に調査を進めてきたのですが、発端は市民からの相談です。私は小学生の保護者や子ども達から、森議員は中学生の保護者から相談を受けてきたこともあって共同して調査しました。

実は娘からも「重い、重い」と言われ続けていたのですが「甘えではないか・・、どうなのか」と判断するために、一番荷物が重くなるであろう曜日の荷物重量を計ってみると体重の約3割に達する日もあることに気づき、是正が必要だと思いました。

周囲にヒアリングしてみると、多くの小学生(低学年)が口をそろえて「重い・・」と言います。

中学生については部活の荷物が増え、重くなるそうです。

ランドセルの中身。教科書が見やすくサイズが大きくなり、副教材も多い。

一般質問の前に、会派を通じて教育委員会に見解を求めたのですが、
各学校では子ども達の荷物の重量は重くならないよう工夫しているはず(問題ない)」
という回答だったので、これを疑問視した私達は、実態調査のため即席でアンケートを実施したところ、33人(小中学校合わせて16校)からの回答を得ることが出来ました。

結果は、殆どの子どもが重いと感じていること、カバンと教材だけで体重の20%を超える比率も多いことが分かりました。
 

また荷物が重くなる原因の副教材への対応は各学校で異なり、荷物の重量が重くならないよう工夫している状態とは言えないことが伺えました(図は各小学校の対応の集計のみです)。

小児科の先生にアドバイスを頂いたところ、アメリカカイロプラクティック協会のガイドラインをご紹介いただきました。ガイドラインでは小中学生に荷物を持たせる場合、体重の10%以下を推奨し、それを超える場合、使用する道具を学校か家に置いていくべきと警告しているそうです。

アメリカやブラジルのリオデジャネイロではこのガイドラインを遵守し、違反すると学校側には罰金、保護者や校長に責任を課すこともあるようです。

残念ながら日本のガイドラインはございませんが、小中学生は体の重要な成長段階であることから、「置き勉」等の具体策をご検討頂けないかと訴えたところ、下記の回答を頂きました。

各学校では、児童・生徒の登下校の荷物を減らすことができるように、毎日持ち帰る必要のない学習用具については、教室内などにおいておける場所を設けています。
しかし、小学校では、図工や習字などの授業がある時や、学期末に配布物が集中してしまい、多くの荷物を持ち帰るすることがあること、また中学校では、通学用のカバンに加えて、部活動の道具や水筒など荷物が多くなってしまう日があること等を認識しています。
そこで、教育委員会としては、ご指摘いただきました内容をなるべく早く校長会等で協議し、登下校時の配慮事項としてまとめ、その内容が徹底できるよう指導していきたいと考えています。

この時点では満額回答!だと思いましたので現場で子ども達の実情を一番良くお分かりの先生方にお任せすることにしました。

しかしながら、子ども達の体の土台をつくる大切な時期です。先生方を信頼しつつも、この問題については私達は重く考えていることから、結果については私たちも調査をして親御さんに対する説明責任を果たしたいと考えています。

この度は、アンケートにご協力頂いた保護者の方々、お忙しい中大変ありがとうございました。
「置き勉」については、保護者様側のご理解も重要だと思いますが、しかるべき時期が来ましたら実態調査のアンケートを再度行いたいと思いますので、その際は何卒ご協力の程よろしくお願いいたします。

p.s.
また今回のアンケートについては、近藤の元に.jp議員インターンシップに来ていただいた、筑波大学の猪野湧斗さん、金子 真太朗さんに多大なるご協力を頂きました。流山市の子ども達のために、他自治体含めて様々な調査もしていただきました。この場で御礼申し上げます。感謝!

2 件のコメント

  • ◉非常に重要な案件です。海外では、法律で制定されている国さえありますし、条例で定められている国もあります。日常的に子供達から学習意欲を奪い取る物理的なマイナス効果・影響を回避することは基本的な教育政策です。ぜひ、是非広めて、被害例(肩にコブができている子供もいます)を積み重ねて写真などでキチンと視覚データを集める必要がありますね。

    • 声援ありがとうございます^^。流山市の教育委員会は対応が早く既に現場でアクションが行われているようです。また動きがあれば報告いたします。

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