写真は本日開催された次女の運動会にて。
最近お問い合わせが多いので、保育園の質とは何ぞや、について整理を行っています。
勿論、保育園の質については、児童福祉法にも定義があるし、厚生労働省が発表している保育所運営指針にも定義されているのですが、私は『保育を単なるサービスとせず、子どもを真ん中にして保護者と保育者でコミュニケーションしながら協力関係を結び継続的に実現するもの』という所も重要だなと感じています。
つまり、保護者は主体的に関わる、保育園は説明の機会を設けるなどして、コミュニケーションをしながら質の向上を行っていくということです。このことは厚生労働省が発表している「保育所自己評価ガイドライン (p.7)」にも記載がありますが、
この仕組みを伝えるのは大変そうなので、コミュニケーションを行う大切さに気づくきっかけになったエピソード、有名な流山市の送迎ステーションにまつわるものでイメージをして頂ければと思います。
流山市の送迎ステーションは、駅に子どもを連れて行くと各保育園にも送迎してくれる仕組みで、都内に通勤している親にとってはありがたいサービスなのですが、利用するには「週一度は保育園に直接お迎えに行く」という条件がございます。
当時、親として未熟だった私は、
「送迎できない場所に保育園があるから送迎ステーションを使用するのに、なぜ週1回も顔を見せなければいけないんだろう・・??」
と疑問に思い、「週1回は直接会いに来てほしい」と主張されている保育園の園長先生に話を伺いに行ったところ、下記のように教えられました。
子どもは物ではございません。生身の人間です。
子どもは、保育園の出来事もご家庭にもっていきますよね?
(保育園で嫌なことがあれば、ご家庭でイライラする等)
同様に、子どもは、ご家庭での出来事を保育園に持ってくるんです。その子に最善の保育をしようと思ったら、ご家庭の様子を知る必要があります。
お母さんの顔を見て「疲れているかな」とか
お父さんの表情をみて「子どものとの会話はうまく行っているかな」とか、
そういう空気のようなものを感じながら、
一緒に子育てをしていきたい。子どもだけを預かるのはまっぴらごめんです。
私はお父さん、お母さん、まるごと預かりたいのです。※ちなみに、この園は私の娘が通っている保育園ではありません。
目からうろこでした。私は送迎保育ステーションという便利なサービスはあっても、単に物を輸送するのものではないことに気づきました。
保育・教育は奥が深い。
私達は保護者はいきなり親になるため、子どもの発達に無知だったりします。
サービスを受けることに慣れていたり、仕事と子育てと家庭と大変な生活を前にして、私のように週1回、保育士の方と深くコミュニケーションをする大切さを見失うこともあるかもしれない。
一方で保育士は、いくら専門家でも、子どもには個性があったり家での生活もあるから、保護者の協力が無くては埋められないこともわかりました。つまり、保育士だけでは保育の質の向上は無しえないということが分かりました。
この園長先生が運営する保育園は、目新しいプログラムがあるわけではないし、交通の便も良いとは言えないのですが、家庭的で素晴らしい保育環境です。何より園長の哲学が素晴らしく、子どもの最善の利益は譲らないので、保護者に負担が生じる場合もありますが、丁寧に親御さんともコミュニケーションされているからトラブルも少ないと聞いています。
子どもの成長を一緒に支えていくパートナーとして、保護者と保育園とコミュニケーションをして協力関係を築いていく事が重要で、その仕組みが整えていく必要があるように思っています。世田谷などでは独自でガイドラインを策定し、より明確に定義していますので、参考にして行きたいと思います。
流山市には、保育の質をある程度一定水準どの保育園に通園しても得られるような基準はないのでしょうか?
市外から転入してきましたが、園によってその質がバラバラであるように感じます。
年度途中からの転入だと選べる園に限りがあり、質は妥協して入れる園に入れますが、保育園との信頼関係がうまくできずに転園する家庭もあります。
新規園がこれだけどんどん出来ていく今、ある程度の質の基準を設け、どこの保育園に入っても、同じ安心感を得られるようにして欲しいです。
わが家は新規園しか転入時に空きがなく、きちんと保護者の声に誠意を持った対応をしてくれない園に入ってしまい、流山市に転入してきたことすら後悔しています。
安心して預けられるよう、設備だけが認可園としてクリアしているだけでなく、保育者としての質もきちんと整備していただきたく思います。