新川耕地スポーツフィールドの契約変更についての審議

平成29年第3回定例会の総務委員会。新川耕地スポーツフィールドの契約変更については審議が大荒れとなりました(9月11日に継続審議となり、9月29日に再開)。反対された会派の方が既にビラもまかれ、賛成した私としてはご批判も受けそうなので見解を記しておきたいと思います。
 
流山市では1億8000万円以上の契約には議会の議決が必要ですが、9か月前に開催された議会(平成28年 第4回定例会)で全会一致で可決された内容から約3,748万円増額の契約変更についての審議でした。

全体図面、変更前(上)と変更後(下)、青の着色部が貯留機能を持つ所です。

調整池の部分です。

変更点は下記です。
調整池に関するもの:+1,464万円
調整池の形状変更(+467万円)、および防球ネットの追加設置(+997万円)です。
道路や関するもの :+2, 551万円
東側道路の高さの変更、西側道路の地盤改良工事の追加、および道路安全施設の追加
仕様変更 :割付、材料の変更など(-267万円)

土木工事の施工においては、その自然的・社会的条件が複雑かつ多様で不確実とされています。
このため契約時点で設計図書に定められた条件が現地の条件と異なる場合には、施工方法や使用材料等の設計内容について変更が生じる場合がありますが、②、③はその類で必要不可欠と認めるものです。

しかしながらについては、元々あった多目的広場に雨水の貯留機能を持たせる替わりに多目的広場が1面増えるという変更であり、その妥当性についての審議が中心となりました。

また、今回は議会承認が出る前に工事着手があったという経緯があり、
「議会への説明不足だ、議会軽視だ」と声をあげる議員もいらしたので、下記のA,B,Cを天秤ではかった場合に総合してどう判断するかという視点が求められました。

A:性能向上ポイント:多目的広場が1面増える
B:性能低下ポイント:元々あった多目的広場に雨水の貯留機能を持たせること
C:良くない点:議会軽視

A 性能向上ポイント
言わずもがな、サッカーや野球、グランドゴルフなどが出来る多目的広場が1面増えることです。
昨今は、多様なスポーツを楽しめるようになりましたが、練習場として期待されている各学校の校庭では部活動などでも利用調整が行われる中、特に広いスペースが必要とされる野球やサッカーなどのスポーツをされている方々から
「中々予約がとれない」「練習場所が不足している」
という声を私は沢山伺ってきましたので、私としては喜ばしい変更だと判断しました。
市もこういった声を沢山聞いてこられた上での変更だと思います。

B 性能低下ポイント
元々あった多目的広場に雨水の貯留機能を持たせる事の性能低下ポイントは、20mm/hより降雨が多い場合に、広場に水が溜まってしまう点です(ちなみに元々の貯留量は7500㎥ですから、これを超えた場合は同様の条件になります)。
昨今のアメダスデータ(我孫子市)から、20mm/hを超える雨量は年2~4日ということ、満水時からも8時間で水が引く事を考えるとデメリットはあまりないと判断しました。

またヘリポートとして使えなくなるので性能低下では?と指摘される委員がいらっしゃいましたが、元々全体が浸水しやすいエリアですので、これもデメリットではないと判断しました。
また昨今のゲリラ豪雨に相当するシミュレーション等も詳細に行っていることも確認しました。

さらに、調整地の467万円は造成費用で、6000㎥の土砂の費用は入っていません。土砂は北千葉広域水道企業団が廃棄する予定だった土砂を無償提供頂けたということで、購入すれば相当な額であっただろうことを考えると、価格を抑えられた点は評価すべきと考えます。

C:良くない点(議会軽視)について
この件については、所属会派の中でも喧々諤々の議論がありました。
住民の代表である議員の議決無く工事を進めて良いのであれば、議員は何のためにいるのか分からないという主張です。今回は先に工事を進めてしまっている点を含めて、各々の委員がその妥当性について総合的に判断する必要がありました。

私としては、議案は変更に伴い適切に上程されている以上、例えば誰かが税金を横領している、あるいは住民の利益を著しく阻害しているものなら反対も辞さずという気持ちですが、今回の変更はそういう類のものではないと判断しました。

以上のことから、貯留機能変更によるリスクは少なく 、野球やサッカー、グランドゴルフなど多目的利用できる広場が 1 面増えるメリットは大きく、調整池の形状変更部分の費用が膨らまないよう工夫されたことも含め、市民要望の声に寄り添った今回の変更は評価すべきものとしました。

しかしながら、変更に伴う議会への説明不足については残念だったと言わざるを得ません。二元代表制の一翼を担う議会も、住民の負託にこたえる責務を負っており、その議会に対して十分な説明が行われないということは住民軽視にもつながります。よって今後は二度とこのようなことが無いよう工事の執行管理の徹底を行っていただくことを討論で指摘しました。

よって A>B 
Cについては厳重注意。
総合的に考えて「賛成」

9月29日の継続審議の委員会は10時から15時まで自由討議を含めて審議が行われましたが、執行部への長時間にわたる糾弾が目立ちました。住民の利益を著しく阻害するのであれば理解できますが、否決すれば工期延長に伴う税金負担増は必須でしょうが、それを選択するほどのものなのかは疑問でした。

議決結果は議会だよりを通じて皆様の元に届くと思いますので、妥当性についてはご判断いただければ幸いです。

3 件のコメント

  • そもそも貯水池って必要?法指定も無い。作る必要が無い。土壌問題ならば、排水良い土にするだけ。転んでも怪我しないアメリカみたいに芝生にすべき。
    毎度大洪水地域で住宅浸水多発地域ならば、貯水池は必要。だけど流山って必要?しかも川沿いだからそもそも大洪水ならば新川耕地は全部沈んでいる。なぜか流山は、おおたかの森貯水池も南流山貯水池も宅地開発の度に貯水池作りすぎ。流山の貯水池の面積割合は、床上浸水ほぼ無し地域では日本一なのでは??貯水池施工業社と癒着??

    貯水池ならば、虫が発生しない無水型にして、テニスコートや東京オリンピック競技のスケートボードパークなど、ちゃんと活用できる様に工夫すべき。
    活用しないなら単なる「死んでるゾーン」。金も生まない。
    そんな事も考えられないか民間との温度差に激しく疑問の流山市役所。

    • 今現況埋設されている雨水管の性能を考えると能力を超えてしまうため調整池を作っています。
      雨水管が整備されてしまえば必要ないのですが、整備には莫大なお金が生じるため現在は必要と考えているそうです。

      開発をする場合、地下に雨水が浸透していく機能が低下するため、開発行為部分で開発以前の治水機能を低下させないよう貯留機能を造るというのが通常です。貯水池を作っているから浸水しないという構造ですので癒着しているわけでは無いと思います。

      新川耕地は浸水しやすいエリアです。これまでは田んぼが貯留機能を担っていましたが、物流施設やスポーツフィールドを造るため、その各々で貯留機能を作り雨水管への流量を調整しています。

  • もともと本来田んぼという粘土質の貯水用土壌の上に盛り土工事をするのに、なんで排水能力が更に低下すると断定するんでしょうか?その回答では、「田んぼの泥土の上に、更にもっと排水性の悪い土壌を盛るだから地下に浸水生が悪くなります。」って見事な回答になるが。。。普通の土壌でも田んぼより悪い土って探す方が大変だが。
    更にのグランドなのに、浸水するのか?
    周りの田んぼの貯水機能を持たせているというならば、それが限界を超えたら、そもそもグランドに行く道路自体が浸水してますがね。
    更に真横東西両側に農業用の非常に大きな用水路があるけど、そこには雨水を流さないで一旦貯水池に貯める??たった2〜3日/年の雨のために?
    そもそも更に用水路の排水能力が限界ならば、そこら中一帯浸水しており、そもそもグランドは使えない。
    無駄なお金の投資はせずに、生きるお金の活用をして欲しい。本当に貯水池がそもそも必要なのか?専門家に確認を取って欲しい。

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